本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が鈴木歩女流棋聖、白番が安斎伸彰7段の戦いです。序盤は左上隅で黒の三々入りに、白が応対の途中で右下隅の小目に付けていったのが研究済みなのでしょうが面白く、これがシチョウアタリになって左上隅で黒1子をシチョウに取り、全体に黒の実利、白の厚みという展開になりました。この碁の焦点は右辺の攻防で、白が黒のシチョウアタリに天元の左斜め上に打った手がちょっとAI風でしたが、右辺の打ち込みに役立ちました。黒は右辺で白が三間に開いて右上隅の黒に迫ったのに、逆にその真ん中に打ち込み、のっぴきならない戦いになりました。しかし一段落した結果は白が右辺で黒3子を取り込んで20目以上の地を持って治まり、対して黒が得たのは上辺の白地を少し食い破っただけで、右上隅の黒の一段はまだ治まっておらず、ここで白が優勢になりました。白はその後も左辺を大きくまとめ、黒は下辺の白地を少し減らしたぐらいで白の優勢は変わりませんでした。最後に左下隅で劫が発生して一瞬事件起こる起きたかと思いましたが、白が若干譲歩して手厚くまとめ、白の中押し勝ちになりました。