NHK杯戦 孫喆7段 対 西健伸5段、ついでに囲碁フォーカスの新講師


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が孫喆7段、白番が西健伸5段の対戦です。今日から新しい期ですが、今期からAIによる形勢判断が表示されるようになりました。(将棋も同じです。今調べたら山口祐さんという方が開発したAQというAIみたいです。将棋も同じ人のもののようです。)まあ面白いですが、自分なりに形勢を判定してみる楽しみが減るのと、90:10とかの形勢になるとほぼ逆転の可能性がなくなり、興ざめの部分もあります。この碁の焦点は右辺で黒白で2石ずつ4箇所眼が無い石が絡み合うという展開になった局面です。更に白が右上隅の三々に置いていって、更に複雑になりました。その関係で右上隅が手残りでしたが、黒は右上隅と右下隅で大きく地を稼ぎ、右辺でも上手く立ち回って優勢になりました。劣勢の白は左上隅の黒の急所に置いて行き、その利きで左辺の地をまとめ、更に右辺から中央に延びる黒の大石を2つに切断しました。切り離された右側は簡単に活きましたが、左側をしのげるかが勝負になりました。白は右上隅で利かしを打ち、更に左上隅で取られている石を利かしに使って中央を取りに行きました。しかし左上隅で白が黒8子くらいを当たりにした時、黒は手を抜いて中央を補強しました。これが好判断で、白は8子を抜き、更に1手かけて残った左辺の黒も取りましたが、右辺の白が中央の黒が活きると眼が無く、死んでしまいました。この結果は黒のかなりの得であり、以後黒の優勢が覆ることはありませんでした。白は右上隅を活きましたが、右辺の大石を取られた損は大きく、結局黒の12目半勝ちに終わりました。

それからこのNHK杯戦囲碁の前にやっている囲碁フォーカスですが、今期から講師が上野愛咲美女流最強位、進行役が下島陽平8段となっています。女流棋士が講師で男性棋士がアシスタントというのはこれまでと逆で初めてではないかと思います。NHKもなかなかやりますね。またこれまでの講座の多くが布石中心で正直な所一応有段者の私にはあまり面白くなかったのですが、今回の講座は「上野愛咲美のハンマーパンチ」ということで、攻めの講座で、これも楽しみです。

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