スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Code of Honor”を観ました。何と言うか、これまで観たスター・トレックのお話の中での最悪のお話の一つです。(ワースト1は、オリジナルシーズンの最終話の、女性艦長への偏見に満ちた描写があったものですが、それに続くワースト2でしょう。)1987年という時代にまだこんな脚本が書かれていたとは驚きです。エンタープライズ号がある星で猖獗を極めている疫病のワクチンを求めて、リゴンIIという星の住民と交渉するのですが、その住民の姿が、肌が浅黒く頭にターバンを巻いて、といわゆるシェークスピア作品に出てくるムーア人(アラブ・アフリカのイスラム教徒)のイメージそのままです。その住民達は最初は礼儀正しくピカード船長らと接していましたが、去り際に向こうのトップのルタンがヤール中尉を無理矢理強奪して行きます。そしてルタンがその星で、ヤール中尉を自分の第一位の妻(この順位付けもイスラム教徒への偏見を感じます)にしたいと言い、元々の第一の妻とヤール中尉が決闘することになります。毒針付きのグラブを付けて二人は戦いましたが、ヤールが勝って元正妻は倒れます。ヤールは彼女をエンタープライズ号に転送させて、蘇生させます。元正妻は結局ルタンを見限り、ハゴンというNo.2だった男を自分の夫に選び、その土地と財宝を与えます。ヤール中尉はルタンの妻になるのを拒否したため、結局ルタンは全てを失ったけど、礼儀にはかなっていて名誉は保てた、という話です。全体でこれこそオリエンタリズムそのものの偏見に満ちた描写で、別にリゴンIIという星の住民をムーア人みたいに描く必要性はまったく無かったと思います。