中里介山の「大菩薩峠」第17巻

中里介山の「大菩薩峠」第17巻を読了。後3巻になりましたが、ほとんど確信に近くなってきたのは、拡げに拡げた話が全20巻では決して収束しないであろうということです。
時間的な進行は極めて遅いですが、地理的な広がりだけはかなりのものがあります。北から順番に書くと、
(1)石巻の無名丸に乗り込んだ駒井(元)能登守一行
(2)仙台周辺に逃げ込んでいる裏宿の七兵衛
(3)江戸の神尾主膳とお絹他
(4)甲州有野村に身を寄せている与八
(5)高山から白山に向かう宇都木兵馬
(6)胆吹山の麓にユートピアを築こうとするお銀様やお雪他
(7)琵琶湖に向かう弁信と米友
とこういった感じになります。(7)の弁信と米友は前に書いた順列組合せ的な登場人物のからみの典型例で、これまで出会ったことがないのがからむようになりました。
さて後3巻で劇的な展開はあるのか?たぶん無いような…

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