櫻井忠温の「肉弾」

jpeg000 68櫻井忠温(さくらいただよし)の「肉弾」を読了。日露戦争で中尉として、旅順攻囲戦に参加し、第1回の総攻撃で瀕死の重傷を負いましたが、奇跡的に一命を取り留め、その戦いの記録を文書にしたものです。戦前1000版を超える大ベストセラーになったものです。この本のことは、乃木将軍経由で明治天皇に伝わり、明治天皇はこの本を読んで感動し、櫻井忠温は拝謁の栄を賜ることになりました。また英語を始め15カ国語に翻訳され、アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトはこの本を自分の二人の息子にも読ませ、また作者に感謝状を送っています。さらにはドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は、この本をドイツ軍の全将兵に配布したといいます。なお、「肉弾」という言葉は、櫻井忠温が初めて使ったもので、後に日本軍の行きすぎた精神主義の象徴的な言葉になります。ただ日露戦争当時の、多大なる犠牲を伴いながらも日本軍が志気の高さを維持したことはこの本を通じて伝わって来て、現代の眼で読んでも感動を覚えます。櫻井忠温はこの本が有名になったこともあって、戦前少将にまで出世しますが、戦後は公職追放になり苦労します。
櫻井忠温は四国松山の出身で、松山中学の時は夏目漱石に英語を教わっています。

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