野村胡堂の「南海の復讐王」

野村胡堂の「南海の復讐王」を読了。これはもう、野村版の「巌窟王」(モンテ・クリスト伯)です。悪者のため、実の父は食を自ら断って餓死、育ての養父は追い詰められ自害、母親は捕らわれの身になって自害、実の兄は拷問を受け死亡、許嫁は育ての養父の命を救うため、敵の息子の妻になってしまい、という中々すさまじい設定。それで主人公は捕まって孤島の岩牢に入れられ、とこれまた巌窟王と同じ。その岩牢から脱牢し、顔を長崎のオランダ人に変えさせ、琉球に渡り、その後琉球の王かつ琉球の商人に化けて江戸にやってきて、復讐をする話です。米相場で儲けようとする敵に、米を安く江戸に持ち込んで損をさせる、というのは「雪之丞変化」でも出てきました。なかなか読ませる話で、野村胡堂は「銭形平次」だけではないということです。

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