本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が大西竜平7段、白番が一力遼2冠(一力遼碁聖はついに7大タイトル戦で井山裕太を倒して天元位を獲得しました。)この碁は大西7段が体調でも崩しているのか、不出来な碁でした。固い手を打つのはいいのですが、攻めとも守りともつかない中途半端な手を打ったり、見合いになっていて自分から先に打つ必要がない箇所に一手かけたり、優勢で逃げ切ればいいというものでもない局面で、ちぐはぐな手が目立ちました。それでそうやって固い手を打って溜めた力を爆発させるのが右辺の白への攻めだった筈ですが、活きられると持ち込みになる置きまで打ったにもかかわらず、白に楽に活きられ、なおかつ自分の方が途中で右上隅から上辺で手を入れなければならず、攻めが空振りに終わりました。それどころか右辺の黒を逆に攻められ、そのため中央の白地が大きくまとまりました。囲碁は本手、固い手ばかり打っていては勝てないという見本のような1局でした。