「大魔神怒る」を観ました。大魔神シリーズの2作目で、1966年のお盆に公開されたようです。夏の公開のせいか、今回の大魔神は湖の中の小島に鎮座しています。それでいつものパターンで悪逆な武士達が領民を苦しめ、大魔神の石像を爆破し、石像の破片は湖に沈みます。そしてあるお姫さま(藤村志保)の祈りと涙によって大魔神が登場する訳ですが、そのシーンでは湖の水が真っ二つに割れて、とこれは明らかにセシル・B・デミルの「十戒」の映画でモーセが海を割ってユダヤの人々を逃がすシーンのパクリです。パクリと言えるのはもう一つあって、最後に沈んだ大魔神の小島の鐘が湖の底から鳴り響くのですが、これはハウプトマンの「沈鐘」からのようです。後私にとってうれしかったのは、度々平と昇太の母親役で橘公子が出ていたことです。この時45歳くらいでしょうか。(橘公子は戦前の「富士に立つ影」や戦後すぐの「狐の呉れた赤ん坊」などで知られる美人女優です。)
それから今回は人間側の大魔神への攻撃もスケールアップして火薬で大魔神を爆破しようとしますが、大魔神はびくともしないのはお約束通り。しかし、この映画でも特撮の見事さは光っていて、大魔神と普通の人間がからむシーンで違和感がまったくありません。実際には大魔神は着ぐるみで中には人が入っているので、実サイズは等身大です。いわゆるブルーバック合成で画面を作っています。