NHK杯戦囲碁 鈴木歩7段 対 沼舘沙輝哉7段 (2022年4月3日放送)


本日より第70期のNHK杯戦の囲碁がスタートしました。黒番が鈴木歩7段、白番が沼舘沙輝哉7段の対戦です。白の4手目が向かい小目で黒が先にカカリを打てるので、昔はあまり見られなかった手です。その上辺の攻防で白が二間でふわっとしたボウシみたいな手を打った後、続けて4線に利かしに行ったのに黒は受けずに左側の黒から飛びました。気持ちは分かりますが、白は好形で上辺を割ったので白が打ちやすくなり、AIでの形勢判断も白に傾きました。白は中央の一団を重視し、右側の白は捨て気味に打ちました。その後、下辺の白を攻める展開になりましたが、黒が白の一間トビに割り込んだのが失着で、白が下から切るのを期待していたのかもしれませんが、白は上から切って黒が継いで延びたのが、いわゆる「鶴の巣ごもり」の形で先手になり、結果的にほぼ死んでいた右辺の白を一部生還させたのが決勝点になりました。下辺の白は利きが色々あって死ぬことはなくなり、地合で白のリードとなり、白の中押し勝ちになりました。
なお今期からAIの形勢判断だけでなく、次の手の候補が3手表示されるようになりました。私的には、次の手を自分で考えるが、いい訓練になるので、この新機能はあまりいいとは思いません。

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