大日本雄弁会講談社の「キング」

今回、白井喬二作品を追い求めて、大日本雄弁会講談社の「キング」を十数冊入手。キングは大正14年に創刊され、創刊号から大々的な宣伝で70万部を売り、全盛期の昭和3年には150万部にまで到達します。日本に初めて「大衆社会」というものを形成したのはこの雑誌「キング」だと言われています。内容は、小説が大半で、他に講談、新作落語、漫画、エッセイなどの本誌にさらに、豪華な附録がついていました。例えば昭和10年1月号の附録は、(1)御仁愛(絵画)(2)絵ばなし世間学(3)東亜太平洋地図(非常時国防一覧)(4)東郷元帥の名書、というものでした。ちなみに、「キングレコード」という会社名はこの雑誌の「キング」から取ったものです。昭和18年にはキングという名前が敵性語ということで「富士」に名前が変わります。(元々大日本雄弁会講談社には「冨士」という雑誌が別にあり、用紙統制で一緒になり、さらに「富士」の名前が残ったものです。{厳密に言うと、「冨」と「富」の異体字で字体が変わっていますが。})戦後も発行されましたが、雑誌の多様化の波についていけず、部数が30万部程度と低迷し、1957年で廃刊になりました。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *