本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が谷口徹5段、白番が大西研也5段の対戦です。大西5段は初出場ですが、以前NHK杯戦の記録係をやっていて顔なじみです。その頃より精悍な顔つきになったと思います。谷口5段は今回が3回目の出場で、過去2回とも初戦で敗れているので何とか勝ち星を上げたい所です。布石で珍しかったのは白の左辺の構えで、全て4線に構えました。普通は3線と4線をバランス良く組み合わせますが、4線のまま地になると大きいので、もしそれが成功すれば当然4線の方がいい訳です。しかし黒はこの碁では結局左辺に入って行くチャンスを逸し、一応3線に一度打ち込んだものの、この石を活きることは難しく、中央から利かして捨てることになりました。また良く分らなかったのが左上隅で黒は打ち込んで行ったのですが、活きが無いにも関わらず打ち続け、後に劫になった時の劫材として使うのかと思ったら当てを利かしたりし、更には途中で下辺で先手にならない手を打ち、結果的に丸ごと取られてしまいました。この結果左辺はぶっ通しで50目の地が出来、黒の地の全部に匹敵していました。こうなると黒は右上隅からの白の一団をいかに攻めて特を図るかですが、隅にはっきり一眼あり、中央でもう一眼を作るのはそんなに難しくありませんでした。それでも黒は眼を取りに行って目一杯打ちましたが、結果的に自分の方が薄く、包囲網を破られて眼を作られてしまい、黒の投了となりました。ちょっと黒の打ち方は淡泊過ぎたように思います。