中里介山の「大菩薩峠」第1巻

中里介山の「大菩薩峠」全20巻の内の第1巻を読了。ついにこの未完の大作に再挑戦することにしました。20代の終わりの頃一度読みましたが、10巻くらいで挫折。理由はその辺りになると時間の流れがほとんど停滞してしまいお話が進まなくなり読み進める気力をなくしたからでした。今回は何とか最後まで行ければいいと思いますが、さてどうなるか。
途中からだれるこの小説ですが、出だしはこの上なく魅力的です。まず題名にもある大菩薩峠で、巡礼の老人が主人公である机龍之助に一刀の下に斬られます。何故龍之助は老巡礼を斬ったのか、このことに何の説明もなく、読者は龍之助の冷酷無残な性格について強烈に印象づけられます。
後の巻になって盲目となった龍之助は夜な夜な辻斬りに出かける悪鬼羅刹のような殺人鬼に成り果てるのですが、この巻での龍之助はまだ多少人間的で、自分が試合で打ち殺した宇都木文之丞の妻であったお浜を自分の妻として、子供まで設けます。また大和の国三輪で世話になった植田丹後守には、父親であった弾正を思い出して神妙に仕えたりします。
表紙の写真のようにこの小説は5回も映画化されていますが、映画が扱っているのは最初の方だけです。この辺りは「富士に立つ影」と事情は同じです。

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