今日のお噺、三遊亭圓生の「真景累ヶ淵~お久殺し」。
豊志賀が死んで、新吉は弔いを済ませ、21日間は怖いのでお墓参りをして殊勝に過ごす。ところがそのお墓参りに、お久もやってきて、あの寿司屋で連れて逃げてくれるという約束はどうなったのかと問いただす。そこで焼けぼっくいに火が付いて、新吉はお久と駆け落ちすることを約束し、二人でお久の叔父さんが下総の羽生村にいるということなので、そこを目指す。道中二人は夫婦になったが、後一歩で羽生村に着くという時、昔、累(かさね)という女が鎌で殺されたという累ヶ淵という場所にたどり着いた所、雨が降り出し、お久が濡れた草に足を滑らせて、川原を転げ落ちてしまう。お久は草の中に放置してあった鎌で膝の下をざっくりと切って歩けなくなってしまう。新吉は、お久を介抱するが、お久は新吉が不実な男だとなじり、そのうち自分を捨てて逃げてしまうだろう、と言い出す。いつの間にかお久の顔が豊志賀と同じく顔の半分が腫れ上がったひどい顔になっている。びっくりした新吉は、思わず鎌を取ってお久に切りつけ、お久を殺してしまう。殺してしまうとその顔は普通のお久の顔に戻っている。新吉は逃げようとするが、やくざ者の土手の重蔵という男が一部始終を見ていて、新吉に組み付いてくる。しばらくもみあった二人だったが、そのうち雷が鳴り出し、重蔵は雷が大の苦手だったので思わず手を離す。やっと逃げ出した新吉は、灯りがついた家が見えたのでそこに飛び込む。しばらくすると、そこの家の主人が戻って来たが、それは重蔵の家だった。新吉は旅の者のふりをして一夜の宿を頼むが、重蔵と新吉は結局兄弟分の契りを交わす。重蔵は実は新吉だと気がついていて、お久殺しを正直に話すように強要する。仕方なく新吉は豊志賀との因縁とお久とのこれまでの話をする。結局、新吉は重蔵の家に住むことになる。とこういう噺です。「真景累ヶ淵」はまだ続きますが、取り敢えずここまでで止めておくことにします。