NHK杯戦囲碁 張栩9段 対 彦坂直人9段(2023年7月9日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が張栩9段、白番が彦坂直人9段の対戦です。この碁は、右下隅で白が黒を封鎖したのに対し、黒が左辺に模様を築きつつ、そこに入って来た白を攻めながら、途中で右下隅の白の包囲網に対してツケコシを決行しました。白は押さえずに下辺を滑ってかわし気味に打ちましたが、その後の戦いの過程で、右辺で二段バネされていた所に切りを入れました。黒は穴が開いているのでそこを出られると支えきれないのですが、黒の構想は右上隅を捨ててその代わりに右下隅を取ってしまうというものでした。この振り替わりは、白は厚い所から地を増やしましたが、黒は薄かった所が地になり、黒の成功でした。この結果白は左辺と下辺をそれぞれ活きる必要があり、黒に絡み攻めにされて、形勢は黒に傾きました。その次の焦点は、左上隅で白が黒にハサミツケて黒を分断する手を狙ったのですが、途中で止めてしまってしかも上辺も途中までしか打たず、左辺の白が活きる手を打っている間に上辺を切られて一子をシチョウに抱えられ、ここで黒が勝勢になりました。結局黒の10目半勝ちという大差になりました。

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