宮崎吾朗監督の「コクリコ坂から」

ジブリ作品の「コクリコ坂から」を視聴。これで4回目です。またこの作品のサントラCDも大好きで、これまで100回以上聴いています。ジブリ作品はほぼ観ていますが、この作品が一番好きです。大きな事件も起きないし、悪者も一人も登場しませんが、1960年代の日活青春映画という感じで、浜田光夫と吉永小百合で実写であってもおかしくない内容です。原作は1980年頃の「なかよし」に載っていた少女漫画で、一度取り寄せて読んだことがありますが、内容としては二流の作品で、宮崎駿が基本的な設定だけ借りてほとんど別の話にしてしまっています。サントラにはまっていると書きましたが、全体に「歌」が非常に印象的に使われていて、特に、学園の理事長がカルチェラタンという古い建物を見学に来た時に学生が歌う「紺色のうねりが」は、東日本大震災の数ヶ月後に封切られた作品ということもあって、宮沢賢治が津波に負けないようにと歌った詩を宮崎駿と宮崎吾朗が作り直して、谷山浩子が曲をつけたもので、とても印象的です。またサブタイトルとしても使われている坂本九の「上を向いて歩こう」も、まさに丁度その時代の流行歌としてうまく使われています。ともかくとても爽やかな青春映画です。
なお、映画で出てくる徳丸理事長は、徳間書店の初代社長の徳間康快がモデルです。(ジブリの鈴木プロデューサーは徳間書店の出身ですし、ジブリも徳間書店の出資を受けています。)徳丸書店の社長室にさりげなく置かれた書籍をよく見ると、吉本隆明「情況への発言」、稲垣足穂「少年愛の美学」、安部公房「夢の逃亡」だったりします。これらすべて徳間書店のベストセラーです。但し、映画当時(1963年)のものではなく1968年のものですが。

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