久石譲指揮、フューチャー・オーケストラ・クラシックスのブラームスの交響曲第1番を聴きました。この指揮者が好きだから買ったのではなく、ブラ1に関しては220種類くらい聴いて来たので、一応チェックしておこう、ぐらいの気持ちです。この人の演奏の傾向はベートーヴェン交響曲全集で既に分っていますが、その予想通りの演奏でした。しかし冒頭のセカセカしたスピードはその220種類の中でも一番でしょうね。ブラームスが10数年かけてようやく完成させた最初の交響曲で、彼らしくきわめて無骨に不器用に始まる出だしを、このような速度でやらないで欲しいと思うのは私だけでしょうか。まあ緊張感があって引き締まった演奏で、悪くはないですが、ベートーヴェンの時もそうでしたが、二度聴きたいとは思わない演奏なのですね。大体クラシックスのCDを買う人はほとんどがリピーターで、初心者って少ないと思います。そういう人は大体ブラ1なんて聞き飽きる程聴いている訳で(私の場合は極端ですが)、そういう人にアピールするには何か斬新さが無いといけないという理屈は分りますが、それは本質的な良さとはまた別の話です。