半年くらい前に全段差動プッシュプルアンプというのをヤフオクで落札してその音を経験しました。私なりの感想は、定位とか音場とかは非常にいいけど、音色そのものにはあまり魅力が無い、でした。それで定位とか音場の良さは、要するに回路的にクロストークが0になるようにしているからだと思いました。であれば、シングルアンプで、モノラル2台で聞けば、全段差動プッシュプルアンプの定位の良さと、シングルアンプの音色の良さが両立出来るのではないかと考えました。それで実験として、手持ちの真空管アンプでは一番安いエレキットのTU-8200R(6L6GCシングル)をもう1台購入して、それでデュアルモノをやってみました。結果は、
(1)音場の自然さ、音像の明確さ、音が前に出る等の全段差動PPの特長がちゃんと出ました。
(2)副産物で音の力強さが増しました。考えてみれば当然で、同じ電源で半分の出力段しか使ってないのですから、余裕が出るのは当り前です。
(3)音色はもちろんシングルアンプの快い音そのままです。
ということで、実験は大成功です。TU-8200Rはキット状態でなら6万4千円ぐらいで買えますので、2台でも13万円未満です。それでかなりのレベルの高い音を聴くことが出来ます。
後さらにステップアップとしては、BTL接続にして、チャンネル毎の出力を倍にするというのがありますが、個人的にはあまり回路を複雑にするよりシンプルなままの音を楽しみたいと思います。