白井喬二の「独楽の話」(エッセイ)を読了。「大衆文藝」の第一巻第二号に掲載されたもの。この「大衆文藝」は白井らの大衆作家が集まって作った二十一日会の機関誌として創刊されたものです。確か2年も続かないで廃刊になったと思います。国枝史郎の作品なども掲載されていて貴重です。
白井は「新撰組」で但馬流や金門流の独楽師同士の争いを書きましたが、その白井による独楽にまつわる蘊蓄です。今は独楽の名人芸を観る機会もほとんどなくなりましたが、まだ白井の時代には大道の名人芸が残っていたのだと思います。それは独楽に限らないことで、何と無くなってしまった伝統の多いことかと嘆かずにはいられません。白井は他の雑誌で、夜中に独りでに回り出す独楽や、いつの間にか逆に回り出す妖怪独楽の話を書いているとのことですが、読んでみたいものです。
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