NHK杯戦囲碁 中野泰宏9段 対 孫喆7段(2023年4月23日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が中野泰宏9段、白番が孫喆7段の対戦です。中野さんはお父さんから譲られたという和服で対局、そして孫7段は師匠から贈られたネクタイを着けての対局です。布石では黒が3隅を取り、代わりに白が左辺に大模様を築きました。黒が浅く消しに行ったのに白は受けず、逆に右上隅の黒の開きに肩付きしました。そのため黒は左辺に三間飛びで入り込み、白がこれを攻める展開になりました。黒が左下隅の三々に打って白に受けさせた後、そこを劫にするのを含みに黒はコスんで左辺白を攻める気配を見せましたが、白に切られて逆襲されると単につながる手を打ちました。この辺りが一貫しておらず、黒のサバキは重く成功したとは言い難かったです。左辺が一段落した後、黒は右辺から中央に二間飛びして、中央の白に攻めを見せました。白は取られている石を活用して当たりを打ち、右辺侵略の手がかりを得ようとしました。また右辺上方の肩付きで黒が受けなかった所を白が押さえ、そして曲がりを打った時に、黒が右上隅を小ゲイマで受けたのが問題だったと思います。すかさず白に筋となる付けを打たれ、結局右辺と右上隅が見合いになり、白が右上隅を大きく侵略しました。後は中央の白5子がどうなるかでしたが、黒はそちらを取る前に、中央の白を切断に行こうとしました。しかし黒が断点を継いだ後、白にカケのような手を打たれて攻められると、あっさりその石を捨て、白の5子取りに回りました。こちらも打ち方に一貫性がなかったように思います。中央が取られてしまった結果、左辺からの黒の大石に寄りつきが生じ、色々と生きるための手を打つことになりました。この結果として白地が増えました。また残った上辺も、白が取られている5子への利きを利用してまとめたので、地合は盤面でいい勝負になり、黒はコミを出せませんでした。結局白の中押し勝ちとなりました。

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