本日のNHK杯戦の囲碁は、高校野球のせいで時間変更で14時スタート。黒番が中野泰宏9段、白番が李沂修8段の対戦です。布石で白は2,4,6手がすべて三々という地に辛い打ち方です。その6手目の右上隅での三々入りに対し、黒が受けずに左上隅の三々に対し星に打ったのも面白い打ち方でした。結局左上隅の攻防もあまり見たことがない形で一段落しました。局面が動いたのは黒が左辺の白の構えに打ち込んでいって、白が上からかけた時に、今度は左下隅の三々に肩を付いていった時で、結局白は左下隅を受けずに左辺の黒を押さえ込みました。しかしその代償で左下隅が普通では活きない形になり、結局劫の形になりました。しかし黒は劫を決行せず、左辺の断点を継いで、白は左下隅に手を入れました。この結果は左下隅で白が三々から大ゲイマに構えた所に、それなりの大きさの黒地を作ったので、黒に不満がないワカレでした。下辺で白から跳ね出して、黒3子を切断する手が残りましたが、左下隅に白が手を入れたので、黒からすれば捨てても不満がありませんでした。しかし実際に白が跳ね出していった時、黒は下を這っていき、最終的にこの黒を助けました。普通に考えれば一度這ってから捨てれば黒に断点が残らず綺麗で良かったかと思いましたが、黒はもう一本余計に這って断点を残しましたが、その這った石を渡って助けました。この打ち方はやや疑問かと思いましたが、李8段の地に辛い打ち方に対抗したようです。その後右辺の攻防に移り、双方がお互いの石を突き抜き合うという派手な展開になりましたが、結局途中で黒が自重し、手堅く打って先手を取り、上辺右側での押さえ込みに回り、黒が明らかに地合でリードしました。白は上辺の黒地に突入するかと思いましたが、決行せず、中央から利かしました。その手に黒が手を抜いて左辺を打ったとき、白は上辺で取られている石から斬り込んでアタリにするという鋭い手を放ちました。このアタリに反発すると一部の中央の黒が切り離されてしまうため、黒が妥協して劫になり、白はここの黒地を大きく削減しました。しかし、それでもそれまでの黒のリードが大きく、そのままヨセに入りました。結局盤面で10目以上の黒のリードは動かず、黒の中押し勝ちになりました。