洪清泉の「碁が強い人はどのように上達してきたか?」

洪清泉の「碁が強い人はどのように上達してきたか?」を読了。正直な所、がっかりした本でした。確かに洪道場からは一力遼、芝野虎丸、藤沢里菜といった今をときめくプロ棋士が多数出ていますが、この本に書いてあるような内容が特別なものとは思えません。日本では「ヒカルの碁」で囲碁の底辺が広がり、たくさんの子供が棋士を目指し、そういう才能を持った棋士の卵が集まる環境として洪道場がたまたまあった、ということだと思います。強い子供同士で切磋琢磨させれば、各人の棋力は自然に伸びています。かつて同じようにプロ棋士を輩出した道場に「木谷道場」がありますが、「木谷道場での訓練の仕方」のような本は見たことがありません。木谷道場も才能のある若手を集めてお互いに切磋琢磨させたことが一番大きいと思います。
個人的には、これからはこの本に書いてあるような従来型の強くなり方とは違って、最初からコンピューターをフル活用して強くなった棋士が登場すると思います。そっちの方にずっと興味があります。詰碁が重要とか棋譜並べがどうの、とかというのはもう聞き飽きています。私個人の体験からいっても、本当の意味で囲碁の力が上がったのはコンピューターと数多く対局しだしてからです。

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