ウォルト・ディズニー・スタジオの1961年の映画、「フラバァ」(うっかり博士の大発明 フラバァ)を取り寄せて観ました。亡父が、私が小学4年生の時に、一度だけ連れて行ってくれた映画が「トラ・トラ・トラ」でその時にリバイバルで併映されていたのがこの「フラバァ」でした。コメディー映画の傑作です。お話しは、ある大学の化学のブレイナード教授が、いつも怪しげな実験を繰り返しているのですが、偶然に、フラバァ(Flying Rubber → Flubber)という物質を作り出してしまいます。この物質は弾力性にすばらしく富んでいて、またそれ自体がエネルギーを持っていて、これをくっつけるとくっつけられたものは宙に浮きます。
丁度ブレイナード教授の大学のバスケット部とライバル大の試合がありましたが、教授の大学のチームは身長が低く、ライバル大にまったくかないません。ですが、ブレイナード教授がチームの選手のバスケットシューズの底にフラバァをくっつけたので、選手達は驚異的なジャンプ力を身につけ、試合に逆転して勝ちます。このバスケットボール試合のシーンが爆笑ものです。
また、フラバァの力を知った成金が、だまされてフラバァ付きのシューズを履かされ、ジャンプし始めると止まらなくなり、TV中継がやってきたり消防署がやってきたりと大騒ぎになるシーンがまた爆笑ものです。子供たちがこのジャンプのシーンを眺めながら、アイスキャンデーを舐めているのですが、ジャンプで上下するのに合わせて子供たちがアイスキャンデーを上下に舐めるのがまた笑えます。
教授はさらに、フラバァを自分のおんぼろT型フォードに組み込むと、このT型フォードは空を飛ぶようになります。教授はこのT型フォードでワシントンに向かって、自分の発明を政府に認めてもらおうとするのですが、UFOと間違えられてジェット戦闘機に追いかけ回されたり、ミサイルに狙われたりします。
小林信彦は、この映画を封切り時に観ていて、「地獄の映画館」の中で、スラップスティックコメディーの典型例として、この映画を高く評価しています。
この映画は1997年にリメイクされています。