筒井康隆の「ビアンカ・オーバースタディ」を読了。
昔、「時をかける少女」のジュブナイル小説を書いた筒井康隆がライトノベルに挑戦したもの。といっても筒井康隆なんで、そのまま単なるライトノベルを書くはずがなく、ライトノベルでありながら、ライトノベルのパロディ、からかいになっています。
「涼宮ハルヒ」シリーズのいとうのいぢのイラスト付き。
目次を見るだけで既に爆笑で、全部の章が「~スペルマ」で終わっています。
第一章 哀しみのスペルマ
第二章 喜びのスペルマ
第三章 怒りのスペルマ
第四章 愉しきスペルマ
第五章 戦闘のスペルマ
何でかというと、美少女高校生のビアンカが生物部という設定で、放課後にウニの生殖実験をやっていて、それにあきたらず人間の生殖を観察したくなって、自分のファンの下級生の男子のスペルマを採取する(つまり抜いてあげる)から、こういうタイトルになっています。
ラノベながら、ちゃんとSFにもなっていて、かつ文明批判的な要素も入っており、また筒井康隆自身の60-70年代のスラップスティックの雰囲気がよく出ています。
筒井康隆ももう80歳を超えているんでしょうが、こういうのをまだ書ける、っていいと思います。