小林信彦の「ムーン・リヴァーの向こう側」読了。1995年の作品で、「ドリーム・ハウス」「怪物がめざめる夜」と合わせて、東京三部作だそうです。
話の内容は先日読んだ「イーストサイド・ワルツ」と重なる部分が多いです。ただ、結末が「イーストサイド・ワルツ」みたいに暗くないので、こちらの方が好感を持てます。といいつつも、この作品にも下町と山の手を巡ってのいつもの小林信彦の持論が噴出してきて、ああまたか、とうんざりした気になります。タイトルの「ムーン・リヴァー」も、たぶん隅田川(大川)のことなんだろうなと思って読んでいたら、その通りでした。正直な所、小林信彦の恋愛小説は概してうまくないですねえ。
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