トワイライト・ゾーンの”The Arrival”を観ました。バッファローからある空港に到着したばかりの107便、機体はDC-3です。(注:このエピソードの放映当時、既にかなり古い機種でロカール線の一部で使われていただけというのが伏線になっています。DC-3が活躍したのは1940-50年代です。)機体は誘導に従い、所定の停止位置にピタリと止まります。係員がドアを開けるように叩いても何の返事もなく、また貨物室には荷物はまったくありませんでした。しかも機内に入ってみると、そこには乗客の姿もパイロットの姿もありませんでした。パイロット無しで、この機体が停止位置にピタリと止まる、ということはあり得ません。ある者が乗客はパラシュートで脱出したのでは、という仮説を出しますが、パイロットの説明がつきません。連邦航空局から、グラント・シェックリーという男が調査にやって来ます。グラントは20年の経験があるベテランで、これまで全ての航空事故の原因を究明して来たことを誇りに思っていました。グラントが機体を調査していると、ある者はシートの色が青だと言い、別のものは赤や茶だったと言います。更に尾翼の機体番号もそれを見る人によって違うことが判明します。グラントはそこから、この機体は幻想であり、実在しない、という仮説を立てます。それを実証するため、機体は地下格納庫に運び込まれ、そこでエンジンがかけられます。プロペラは回り出し、しかしグラントは幻想説を実証するため、自分の手を回っているプロペラに突っ込もうとし、その瞬間パイロットごと機体が消えます。それだけでなく、グラントの回りにいた空港の責任者と関係者も消えてしまいます。空港の事務所に戻ったグラントはそこに消えた人達を発見しますが、彼らは人が乗っていない107便など知らないと言い、107便が無事に到着した証拠としてその便で来た女優が空港に降り立つシーンの写真を載せた新聞を見せます。その内空港の責任者が、17~18年前に飛行中に消えて行方不明になり、そのままどこへ行ったか分らなかった107便があったことを思い出します。実はその事故の調査を担当したのがグラントであり、彼はその記憶を自分の唯一の失敗として脳からある意味無意識の内消していました。それで幻想を見た、というのがオチですが、「さまよえるオランダ人」の飛行機版でもあります。
この自分は確かに何かを見たのに、他の誰もそれを見ておらず、狂人扱いされる、というのがトワイライト・ゾーンにも何話かありますが、ある意味典型的悪夢のパターンですね。