本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が六浦雄太7段、白番が大西竜平7段の対戦です。この碁の布石は、比較的オーソドックスで、ダイレクト三々は無く、また星にかかりに手抜きもありませんでした。ただ左下隅で星に小ゲイマガカリに一間受けにいきなり上から覗いたのはAI式でした。この碁の最初の焦点は右辺で、白が黒2子を取って、それ単体で活きはあるのに敢えて捨て、中央にかなりの勢力を築きました。黒の実利も大きかったですが、元々黒の勢力圏であったことを考えると白が上手くさばいたように思います。しかし黒も下辺を囲い、地でかなり先行し、一時AIの形勢判断が、白優勢75%くらいまで行きました。しかし白は慌てず上辺を地にし、中央を囲い、なおかつ左辺の黒を分断して攻めて左上隅を確定地にし、気がつけば形勢は互角で半目勝負になりました。ここで白が下辺に飛び込む手を匂わせたのに黒が中央を打ち、白が一間トビで下辺に飛び込みました。黒はこの白を切断し取りに行きましたが、攻め合いになり、結局白は中央の黒4子を先手で取りました。これは白の儲けが大きくこれで黒の投了となりました。