ついに憧れの(?)ご本家ウェスタン・エレクトリックの300Bを入手しました。といってもいわゆるヴィンテージ管ではなく、1997年8月製のご本家による復刻管です。非常に期待してアンプに装着して聴いてみましたが、その結果は「え、この程度?」という感じでした。確かに低域の引き締まりと定位はいいと思います。しかしそれに比べると中高音が床から離れてふわふわ空中に漂っているような音で、大変聴きやすい音であるのは確かですが、あまりHiFiという感じがしない音です。繊細さも、PSVANEのWE300Bの方があるように思います。PSVANEのWE300Bを聴いた時はとても気に入って、ずっと聴いていたい気持ちになりましたが、このご本家の音はちょっとがっかり感が先に立ちます。なお、eTracerで特性をチェックしましたが、左右はかなり揃っていて、また内部抵抗などもそれほど増大しておらず、あまり使われた形跡がありません。これを最初に買った人も、最初は大いに期待したけど、聴いてみたらがっかり、ということなのかもしれません。ヴィンテージのWEの音は知りませんが、この復刻版300Bの音を聴く限りにおいては、ウェスタン・エレクトリックのものだけが別格で他を圧倒する、ということは無いと思います。各社の300Bには良い所と悪い所があり、単純に順列を付けられるようなものではありません。今回のご本家の復刻版、たとえば10種類の300Bでテストしたら、まあ上位4位以内くらいには入るでしょうが、1位にはならないと思います。