白井喬二の「怪建築十二段返し」を読了。
白井喬二の初期の短編4作、「江戸天舞教の怪殿」「全土買占の陰謀」「白雷太郎の館」「怪建築十二段返し」を集めたものです。
「怪建築十二段返し」はデビュー作です。いずれの作品も、伝奇的要素は満点で怪しげでかつまことしやかな話に興味をそそられるのですが、話の展開の仕方、まとめ方が今一つで、今まで読んだ「富士に立つ影」「新撰組」「盤嶽の一生」に比べると劣ります。
表題作の「怪建築十二段返し」もタイトル見ると、どんな怪建築かわくわくするのですが、実際に出てくる内容は期待外れです。
「全土買占の陰謀」には「富士に立つ影」にも出てきた黒船と船大工が出てきます。4つの作品どれにも怪しげな建築物が出てくるところが共通点です。
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