白井喬二の「外伝西遊記」を雑誌連載の1回+4回分だけ読みました。仏教雑誌である「大法輪」に1975年1月から1977年10月まで連載されたもので、確認しうる限りで白井喬二の最後の雑誌連載です。白井は1940年に「東遊記」という「西遊記」のパロディ作品を書いていて、天竺ではなく地竺に行く話なんですが、晩年になって、再度西遊記の世界に戻ってきています。この白井版西遊記では、おなじみの登場人物以外に、石族の吾呂という少年(孫悟空と同じく仙石から生まれたけどより小さい仙石から生まれたという設定です)を登場させて、語り部みたいにさせています。またお話もオリジナルの西遊記のストーリーを活かしつつ、随所に白井オリジナルのお話を入れているようです。というか5話分だけ読んだだけですが、とても面白く、晩年の白井が肩の力を抜いて楽しんで書いているのがよくわかります。「大法輪」での連載には他には「天海僧正」もあります。どちらの作品も、「大法輪」のバックナンバーは古書店では全部揃わず、また出版社にも残っておらず、全部読むためにはたぶん国会図書館に行くしかないと思いますが、将来の課題として取っておきたいと思います。
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